取材日:2023/06/29

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成田 絵美さん

研究分野:
核融合
所属:
京都大学 大学院工学研究科 原子核工学専攻 講師

2022年度「富岳」成果創出加速プログラム次世代研究者賞受賞者の飯島先生にお話しを伺いました

 

仕事内容、この仕事・研究を志した理由

中学の理科の授業で地球温暖化について学んだことがきっかけです。大学では環境に負荷をかけないエネルギーについて勉強したいと考えて、工学部の環境・エネルギー工学科に進学しました。名前だけで学科を選んでしまいましたが、そこで核融合を知り、その研究者になろうと思うまで興味を持てたので運が良かったと思っています。
核融合は無尽蔵かつクリーンなエネルギーとして期待されています。核融合反応を起こすための装置にはいくつか種類がありますが、私は磁場によって燃料となるプラズマを維持する装置の研究をしています。ここでは数億度の超高温プラズマが生成されるのですが、外部からの熱の供給と外部に向かって熱が運び出されていく輸送のバランスで温度が決まっており、私は輸送の研究を行なっています。

自分で設定した問題の解決方法を考え、実行し、目標を達成することができたときにやりがいを感じます。問題設定から成果を発表するまでの全体を自分で組み立てて仕事ができることが研究職の一つの魅力かと思います。

(今後どんな研究者になっていきたいですか?)
フランスで建設中のITERに貢献することが一つの目標です。
ITER等におけるプラズマの物理課題に関して議論する活動に参加しているのですが、これまでは議題に合った研究成果を報告するという立場でした。今後は議題を提案して議論を主導できるようになりたいと考えています。 

理系が好きになったきっかけ

中学校の理科の授業が好きでした。中学1年生になったときに配られた教科書を眺めて「理科が面白そう」と思ったことを覚えています。授業中には先生が雑談として教科書の内容以外の話もしてくれたのですが、それがとても面白くて、理科が好きになっていきました。

研究者になるために中高生のころから心がけて行なってきた勉強は特にないです。研究者になって思うことは、理系科目と言われる数学や理科が大切なのはもちろんですが、他の教養もないと大変困るということです。例えば、英語が使えないと論文発表や海外での議論や研究発表ができません。私は英語が苦手な学生だったので、もっと勉強しておけば良かったと後悔しています。英語以外にも、国語力がないと論文がうまく書けませんし、国際社会を知らないと海外の研究者とコミュニケーションをとるときに困ります。どの科目も意味があったのだと痛感しています。今、勉強を頑張っている中高生には、全ての科目に興味を持って取り組んでもらいたいです。好きな科目だけに一生懸命になっていると私のように苦労しますから。

 

中高生へのメッセージ

周囲の意見に惑わされず、自分のやりたいことを大切にして進んでいってほしいと思います。友人や家族、学校の先生などの意見を聞くときには、できるだけ多くの意見を集めた方が良いかもしれません。多様な意見に触れつつ、自身の意思を持って進路を決めてほしいです。
 

関連サイト

▼次世代研究者賞インタビュー動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=bbQtVOVfj08