取材日:2023/08/18

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武藤 熙麟さん

研究分野:
バイオ
研究内容:
ダイニンのstalkを介した双方向情報伝達の解明
所属:
東京大学 医学部医学科

高校生の時、スパコン「京」体験塾に参加しました!

 

今どんなことを頑張っていますか?

専門の学業と研究です。ハードな分、地道に前向きに努力しています。また、適時運動しています。

ちなみに、小中高はロボットプログラミングをがんばっていました。ロボコン出場を繰り返して経験を積み、その積み重ねと共に視野も広がり、高校時代はそれまでの基礎を活かす形で新たな試みも積極的に挑戦しました。

例えば、家族の持病対策の「スマートウォッチとスマホを連携させた救助アプリ」開発です。これは持ち主の緊急時に自動で通報し 、周囲に助けを求めるものです。

他には、実用ロボット競技です。それまでも複数の競技と大会に出場し学んできましたが、これは特に楽しい競技です。
そして、今は対象がロボットからヒトになりました。これにより、一気に難度が突き抜け不思議と奇跡に満ち(巧妙な仕組みも絶妙な調和もシンプルなのに完璧で)、大変ワクワクしています。

医学とITを良い形で活かし「皆が毎日体調良く各自本分を尽くす」、その一助となれるよう夢に向け頑張っています。

●現在の研究について
理研の研究チームが開発したタンパク質シミュレーターGENESISを使って、微小管の上を走り回るダイニンタンパク質が様々な条件下でどう動き変化するか、シミュレーションで調べようと試みています。

また、夏休みの理研インターンシップで大変楽しく精進させて頂き、今は憧れの理研スパコン「富岳」を使えて感動しています。
 

どんな子ども時代だった?プログラミングとの出会い

とても活発で、本好きな子どもでした。最初の小学校には森があり、毎日ボール遊び・鬼ごっこ・木登り、合間に小魚の仕掛け作り等、暗くなるまで全力で遊んでいました。

ロボットプログラミングは小4からで、学校でもらったチラシを見て、無料体験に参加しました。始めて数か月で大会があり、大会に出場したら高校生強豪チームの凄さと自身の課題の改善で頭が一杯となり、次第にロボットに専念していきました。

中高時代はほぼ毎日ロボットプログラミングでした。 特に、被災者を救助(探索・移送)するレスキューシミュレーション競技では、私がこの競技を始めて2年目、清風南海チームが世界初の自動化戦略を実装し(彼らは世界大会で最優秀戦略賞受賞)、一気に楽しくなりました。(2018年世界大会:7位/2019年世界大会:2冠)
 

子ども時代の好きなあそび、勉強について

子ども時代も今も、外遊びと本は好きです。小学時代は短い休み時間でも教室横の森に飛び出し、昼休みや放課後はサッカーやドッチボール、鬼ごっこ等をしていました。中高時代も昼休みはサッカーでした。

勉強については、ロボットプログラミングを始める前は外遊びや様々な体験が、ロボットプログラミングを始めた後はロボット関連活動が第一の勉強と思っていました。(尚、毎日学校でロボットプログラミングを出来るチームメイトを求めて中学受験を志しており、良い塾で1年半勉強していました。中高6年間は塾や添削などは受けていませんでした。) いわゆる学業は、学校の授業を楽しめたら合格点としていました。学校の授業の質が高く、楽しかったお陰です。(推薦入試で受験しています。)

ちなみに、好きな科目は物理です。一時苦手でしたが、尊敬する先輩に勧めて頂いた本のお陰です。
次に倫理政治経済です。哲学者の考えが感慨深く、授業が楽しみでした。
それから、英会話です。国際大会で対戦を頼んだり質問したり自分の工夫を話すことで、ゆっくり慣れました。 どの科目も(苦手科目ほど意識して)授業前に超前向きになるよう努めています。

 

中高生へのメッセージ

僭越、かつ月並みなのですが、「挑戦してみよう!」ということです。

「失敗したら恥ずかしい」ではなく、むしろ中高時代に十分失敗して教訓が十分あれば、理想的なくらいです。同じ失敗はせず、失敗の1つ1つから正解へのヒントを少しずつ得たら、誰でも成長出来るからです。
諦めない限り、失敗は正解への道標です。

その上で、必要なら思い切ってジャンプして下さい。
例えば、ダメ元の申請です。ダメならスルーされるだけで、選抜されたら貴重な機会になります。喉から手が出る程なら熱意あふれる文章になり、たとえ初年度は実力不足でも、書類作成過程で何が求められていて自分は何が出来ないか、痛感出来ます。それらを補強すれば、翌年は採用確率が上がります。

私は中3の頃、対象外でも切望の余り、神戸市シリコンバレー研修に応募しました。まさかの選抜で、この時に学んだシリコンバレーの文化と起業家精神はそれ以降の私を大きく変え、全ての活動の源となっています。

ここまで読んでくださった中高生の皆さん、「やりたい!」という強い想いがあれば、道は拓けていきます。是非挑戦して下さい!


関連サイト

▼大学で所属している研究室
https://structure.m.u-tokyo.ac.jp/japanese-publications/index.html

▼所属している財団
https://masason-foundation.org/