2024/11/22

第35回全国高等専門学校プログラミングコンテスト

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奈良県奈良市の「なら100年会館」で10月19日~10月20日の2日間、全国高等専門学校プログラミングコンテスト「まほろばの地で古都ロジー開花」が開催されました。

1990年から続いているこのイベント(以下、高専プロコン)は、日々プログラミングにいそしんでいる高専生が結集します。会場では、高専生が開発したソフトウェア作品のデモンストレーションを体験したり、競技プログラミングの様子を見ることができます。予選選抜を勝ち抜いた日本全国からだけでなく、海外から参加されている方もおり、大変活気のある会場でした。
(当日の様子はYouTubeでもライブ配信・公開されています。高専プログラミングコンテストサイトにてご覧ください。)

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プログラミングを頑張っている高専生が日々の成果を発表するんだね。
高専でどんなソフトウェア開発に挑戦しているのかを見てみたいな。

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会場にはたくさんの作品が展示され、実際に体験することもできました。
高専生たちの独創的な発想や想いを知ることができ、楽しかったですよ。
ここでは会場の様子をご紹介します!

 

高専プロコンは3つの部門 競技部門、課題部門、自由部門 に分かれています。

 

競技部門

今年は全国高専から58チームが予選を通過し、海外の5チームを加えた計63チームが本選に出場しました。
競技内容は、コンピュータを用いた時間競争、精度競争、最良解探索競争等で、毎年異なるテーマで実施されており、今年は「画像の修復」の手数・早さで勝敗を競いました。
題して「シン・よみがえれ世界遺産」です。

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開催地の奈良県は日本の世界遺産の宝庫と言える地域の1つであり、その文化財の修復・復元が今回のテーマとなりました。
一斉に復元画像が表示される様子はドキドキしました。

熱戦の中、優勝に輝いたのは松江高専のチーム「回鍋肉」でした!
どのチームもこの日のために準備し、1日目に見つけた改善点を深夜まで改良に取り組むなど、2日間に渡って一生懸命戦っていました。

 

課題部門・自由部門

課題部門と自由部門は、学会形式のプレゼンやデモンストレーションなどから総合的に審査し優秀作品が選ばれます。
展示会場では、予選審査を通過した作品を学生さんにお話を聞きながら実際に体験させてもらうことができ、ワクワクしました!

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ブースで説明を聞きながら、実際に体験することができると分かりやすいね。
高専生が開発したソフトってどんなものがあるんだろう。

課題部門と自由部門は、学会形式のプレゼンやデモンストレーションなどから総合的に審査し優秀作品が選ばれます。
展示会場では、予選審査を通過した作品を学生さんにお話を聞きながら実際に体験させてもらうことができ、ワクワクしました!

課題部門は、「ICTを活用した環境問題の解決」というテーマに沿ったソフトウェア23作品の展示がありました。
環境問題と一言で言っても様々な着眼点があり、町の清掃に取り組んだ作品や、生ごみを堆肥にする仕組み、食材買いすぎ防止システムなど独創的な作品がたくさんありました。
自由部門は、参加者の好奇心や自由な発想で開発された作品が25作品展示されており、既成の枠にとらわれない様々なテーマの作品がありました。

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課題部門では、住んでいる地域の課題解決するための作品が多くありました。
自由部門は自分の身の回りの困りごとを解決する想いや、好きなものへの関心が強くあり、なぜこの作品を作ったかの背景や視点も様々で面白かったです。

 

最優秀賞の作品

最優秀賞を受賞されたチームと作品をご紹介します。
課題部門での最優秀賞は、「Triplean(インバウンド対応・清掃支援システム)」を提案した鳥羽商船高専でした。
鳥羽にはたくさんの外国人観光客が来訪しており、今後も増えると予測されることから、身近な悩みとして考えられたそうです。
インバウンドに優しい町づくりの一端を担い、これからもたくさんの外国人観光客に来てもらいたいという想いから制作されました。

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この作品は、公共トイレやごみ箱、喫煙所に対応したマップ表示形式となっており、①施設検索アプリ②清掃員募集アプリ③施設状態分析機能が連携され、外国人観光客と地域住民が活用することができます。
清掃施設に設置したセンサーで利用者数や消耗品の減り、混雑状況などを分析予測した上で、最適な清掃タイミングを割り出し、リアルタイムに清掃員募集が可能になるので、高い効率化が期待できます。また海外の寄付文化に目を付けて、寄付機能を付けることで清掃費用の捻出ができるとのことでした。
とても便利に町のキレイを守ることができ、訪日外国人にも快適で優しい取り組みだなと思いました。

詳しい説明はこちら→高専プロコンサイト予選資料(app10011.pdf)

 

自由部門での最優秀賞は、「uni(触れることで楽しめるuniversalなシステム)」を提案した香川高専(詫間キャンパス)です。
国際化が進み、異なる言語を話す人との交流が増えている中で、お互いに理解したり共感することが難しく感じることがあります。この課題を解決するために、言語に頼らず、風に触れる感覚を用いて誰もが一緒に楽しめるシステムを考えたそうです。
実際に体験してみました!
空にいる蝶をタッチして足跡マークがついていく様子です

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体験してみると、簡単・シンプルで楽しい!のですが、楽しいだけではなく、とても高度な仕組みが布の裏には施されていました。
布の裏には複数のファンがあり、風が出ていて、布を触ったことが検知されるような仕組みになっています。また、風や布の動きをリアルタイムでシミュレーションしているというのが驚きでした。

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詳しい説明はこちら→高専プロコンサイト予選資料(app20001.pdf)

 

会場では他にも高専生のアイディアあふれる作品がたくさんありとても楽しかったです。
是非YouTubeやサイトでご覧くださいね。

高専に興味がある中学生にもぜひ、見てみてもらいたいイベントです。
また来年の開催の際には是非、会場に足を運んでみてください。

参考サイト:全国高等専門学校プログラミングコンテスト OFFICIAL WEBSITE

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