ARCHIVES過去の開催報告
第11回 開催報告
- 日 時
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2024年9月19日(木) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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データ同化による脳動脈瘤内血流場の定量化
- 講 演 者
- 東京工業大学 工学院機械系
伊井 仁志
- ファシリテーター
- 理化学研究所 光量子工学研究センター
画像情報処理研究チーム野田 茂穂 - 要 旨
- 脳動脈瘤の成長・破裂に関わる因子の一つとして血行力学因子がある。こうした背景から、患者個々の血流場を定量化し臨床データとの関係を明らかにする研究が進められているが、一般的に血流場の定量評価は計算コストが高いという問題がある。
本コロキウムでは、この問題の解決に向けこれまでに取り組んできたデータ同化による血流定量化アプローチについて紹介する。
発表資料:データ同化による脳動脈瘤内血流場の定量化 [PDF]
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第10回 開催報告
- 日 時
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2024年1月30日(火) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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大規模言語モデルにおける分散並列学習
- 講 演 者
- 東京工業大学 学術国際情報センター
横田 理央
- ファシリテーター
- 富士通株式会社
富士通研究所 コンピューティング研究所
イノベーティブコンピューティングCPJ白幡 晃一 - 要 旨
- 大規模言語モデルの事前学習においてはデータ並列、テンソル並列、パイプライン並列を組み合わせる必要がある。データ並列が最も並列化効率は良いが、バッチサイズの増大に伴う汎化性能の低下、モデルを冗長にもつことによるメモリ不足の問題がある。一方、テンソル並列ではforwardやbackwardで層毎にAllReduceの通信が発生するため、NVLinkで接続されたノード内までしかスケーリングしない。パイプライン並列ではパイプラインバブルによる性能低下が起きる。本講演ではこのような分散並列化技術の最新情報に関して紹介する。
発表資料:大規模言語モデルにおける分散並列学習 [PDF]
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第9回 開催報告
- 日 時
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2023年9月7日(木) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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回転する野球ボールの空力解析と変化球の軌道予測
- 講 演 者
- 東京工業大学 学術国際情報センター
青木 尊之
- 要 旨
- メジャーリーグで活躍する大谷翔平投手の縦に大きく落ちるスプリットや横に大きくスライドするスイーパーに対し、「富岳」や「不老」などのスパコンを用い、その鋭い変化のメカニズムを解明する。空力解析で実績のあるキュムラント型格子ボルツマン法とAMR法を用いて境界層まで解像するLES解析を行う。ボールの縫い目と滑面での境界層剥離と後流の向きが重要となる。得られた空力特性を元にボール軌道を再現すると、Statcast のデータや映像と非常によい一致が得られる。
発表資料:回転する野球ボールの空力解析と変化球の軌道予測 [PDF]
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第8回 開催報告
- 日 時
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2023年3月14日(火) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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人の移動を考慮した感染伝播モデルのCOVID-19の国内初期流行への応用
- 講 演 者
- 長崎県立大学シーボルト校 情報システム学部情報セキュリティ学科
齋藤 正也
- 要 旨
- COVID-19の第1・2波の流行は大都市圏に限られており、地方での感染報告を説明するには大都市での再生産と地方への流入を考慮する必要がある。そのための手法のひとつである確率的メタ・ポピュレーションモデルがある。これは地域毎に分割した集団間でSIRモデルに従う感染者の発生を計算するとともに一定の確率で集団間で人を交換するものである。本講演では、粒子フィルタを用いた感染報告のメタ・ポピュレーションモデルへのフィッティングおよびフィッティングしたモデルによる流入リスク評価の計算手法について紹介する。
発表資料:人の移動を考慮した感染伝播モデルのCOVID-19の国内初期流行への応用 [PDF]
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第7回 開催報告
- 日 時
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2022年10月6日(木) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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データ科学による新物質の予測と発見
- 講 演 者
- 統計数理研究所 ものづくりデータ科学研究センター
吉田 亮
- 要 旨
- マテリアルズインフォマティクス(MI)の問題は、機械学習等のデータ科学の解析技術を駆動力とし、広大な探索空間から革新的特性を有する新物質を予測・発見することに帰着する。MIにおける最も大きな壁は、体系的且つ包括的なデータが不足していることである。そこでデータ不足を補う手段の一つとして、機械学習とシミュレーションの融合技術が非常に重要な役割を担う。本講演では、最新の研究事例を紹介しながら、MIにおける機械学習とシミュレーションの融合技術やスパコンが果たす役割等を論じる。
発表資料:データ科学による新物質の予測と発見 [PDF]
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第6回 開催報告
- 日 時
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2022年7月22日(金) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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深層学習で解析・生成したランダム量子系の波動関数〜AIを用いた半導体中の電気伝導の解析〜
- 講 演 者
- 上智大学 理工学部
大槻 東巳
- 要 旨
- 物質には不純物や格子欠陥などのランダムネスが存在し、そのため量子系は不規則な波動関数を示す。本講演ではこの波動関数を画像とみなし、それを深層学習でクラス分類し物質相を予言する試み、及びこうしたランダムな伝導体における磁気抵抗の測定から、深層学習によって波動関数や不純物の分布を推定する試みを紹介する。
発表資料:深層学習で解析・生成したランダム量子系の波動関数〜AIを用いた半導体中の電気伝導の解析〜 [PDF] [1] T. Ohtsuki and T. Mano, J. Phys. Soc. Jpn, 89, 022001 (2020). [2] S. Daimon et al., Nature Comm. 13, 3160 (2022). 要旨詳細 [PDF] プレスリリース
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第5回 開催報告
- 日 時
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2022年5月12日(木) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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シミュレーション神経科学は脳の理解の役に立つのか?
- 講 演 者
- 電気通信大学大学院 情報理工学研究科
山﨑 匡
- ファシリテーター
- 理学系教科書の元編集者
丸山 隆一
- 要 旨
- 生命維持から意識や思考まで、我々のあらゆる活動は脳の産物であると考えられている。 ヒトの脳は約1000億個のニューロンが結合したネットワークであり、スパイクと呼ばれる 電気パルスを交換することで情報処理を行っている。単一ニューロンの挙動は微分方程式で 記述できるため、その数式を1000億本プログラムし数値シミュレーションを行うことで、 原理的にはヒトの脳の活動を計算機上に再現することが可能である。 本コロキウムではそのようなシミュレーション神経科学における我々の取り組みを紹介する とともに、それが脳の理解にどのように貢献しうるのかを議論する。
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第4回 開催報告
- 日 時
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2022年2月18日(金) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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生体分子系の分子動力学シミュレーションデータの解析入門
- 講 演 者
- 埼玉大学大学院 理工学研究科
松永 康佑
- 要 旨
- タンパク質をはじめとした生体分子の分子動力学シミュレーションは、近年では益々高速化が進み、安定構造の探索や、構造変化を含む大きな揺らぎまでも捉えることが可能になってきている。特に、スパコンやGPUを用いて大規模シミュレーションを行った場合、大量に生成されるデータの海に溺れそうになるが、それに立ち向かってデータを解釈するためにどのような解析ができるだろうか?また、せっかく行ったシミュレーションと実験データが一致しない場合、どのようなデータ同化手法が使えるか?本講演では、分子動力学シミュレーションの初心者向けに、我々のこれまでの研究からデータ解析の事例を紹介したい。 発表資料:生体分子系の分子動力学シミュレーションデータの解析入門 [PDF]
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第3回 開催報告
- 日 時
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2021年12月23日(木) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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連成現象のスーパーシミュレーション
ー基本的な考え方と事例ー - 講 演 者
- 東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻
吉村 忍
- 要 旨
- 最近連成現象の解析ニーズが高まってきており、特に、スーパーコンピュータを用いた実機の連成解析が大きな期待を集めると同時に様々なチャレンジが必要となっている。本講演では、一括型解法や分離型解法等の連成解析アルゴリズムの基本とソフトウエアツールについて分かりやすく解説するとともに、音響流体構造連成解析、流体構造連成解析、燃焼流構造連成解析などの解析事例について紹介する。 発表資料:連成現象のスーパーシミュレーション〜基本的考え方と事例〜 [PDF]
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第2回 開催報告
- 日 時
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2021年9月10日(金) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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流体のコンピュータ解析の前に考えなければいけないこと
- 講 演 者
- 理化学研究所開拓研究本部 戎崎計算宇宙物理研究室
姫野 龍太郎
- 要 旨
- 今、「富岳」をはじめとするスーパーコンピュータを利用すると、流体の問題では非常に大きな複雑な形状や条件でも短時間で解けるようになってきた。むしろ計算時間よりも、結果の可視化の方に時間がかかるのが現状だろう。計算を行う上で考えなえればいけないことは、問題の設定である。1)何を知りたいのか、2)何がその現象を起こしているのか、このふたつをよく考え、こうではないかという仮説を自分なりに持っていないと、膨大な計算結果を前に途方に暮れてしまう。そこで、計算の前に何を考えて計算をしたのか、その結果、予想と結果がどう違ったかに焦点を当てて、これまでの事例を紹介する。 発表資料:流体のコンピュータ解析の前に考えなければいけないこと [PDF]
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第1回 開催報告
- 日 時
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2021年4月14日(水) 16:00~17:00【開催済】
- 題 名
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データ同化による物質構造推定
- 講 演 者
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東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻藤堂 眞治
- 要 旨
- 近年、物質科学研究においても、機械学習やAIといったデータ科学的手法や大規模な計算科学的手法などの組み合わせによる新しいシミュレーションや解析が進んでいる。このようなアプローチは、理論計算や実験結果からのモデル推定や結晶構造推定といった、いわゆる「逆問題」に対して特に有効であることが明らかになりつつある。本講演では、「データ同化」の考え方に基づく新しい結晶構造推定手法の原理とその応用例を紹介する。また、物質科学とデータ科学の融合に向けた「入口」としての視点から、我々の取り組んでいるMateriAppsプロジェクトについても紹介したい。 発表資料:データ同化による物質構造推定 [PDF]